知性鯵プール

ゲームのレビュー記事でも書こうと思ってたらレビュー記事を書けてないブログです。

「Overdungeon」で見た事のないカードバトルを味わえ

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どうもazyです。

今回紹介するのは2018年11月下旬現在、steamのアーリーアクセスとして販売されたばかりの「Overdungeon」です。

store.steampowered.com

 配信されたばかりの頃に書いた記事なので、時間がたってから読むと書かれている事と違う環境になっている可能性が大ですが、ご容赦ください。

 タワーディフェンスリアルタイムローグライクカードゲーム

 

このゲームを言い表すとこうなります。

ローグライクのランダム性と、タワーディフェンスのリアルタイム性と戦略性、そしてカードゲームのデッキ構築性が合わさった一口で三度おいしいゲームです。

 

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こちらがゲーム画面。

画面上部の敵を倒すために手札のカードを状況に応じて適切に切っていくのがこのゲームの基本の流れです。

しかし、あまりモタモタとカードを選んでいると敵の召還したアニマルが自キャラに向けて進軍してくるためにスピーディーにカードを選ぶことが要求されてきます。

画面上部の敵(ゲーム内ではタワーと呼称される)を全滅させるとそのマスをクリアしたことになり、下部のマップ画面で次のマスを選ぶ……。

 

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これを繰り返し、全三面(現時点)の奥地に潜むボスを倒せばゲームクリアです。

 

マップ画面では、次にどのマスに進むのかをさらにその次にあるマスを見ながら進むことができます。このマス配置は完全ランダムで、現在の体力と戦力と相談しながら進み方を決めなくてはいけません。

 

通常戦闘マスは敵と戦闘が発生し、勝つと追加で1枚カードとお金を入手できます。

エリートマスはかなり手ごわい中ボスが出現し、もし勝利できたのならカードとお金、それにプラスしてレリックと呼ぶ永久のプラス効果が働くアイテムを入手可能です。

休憩所では戦闘が発生せず、体力の回復かカード1枚を強化するかどちらかを選択可能です。

 

ショップでは戦闘で溜めたお金と引き換えにカードとレリックを購入可能です。

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イベントマスではランダムでイベントが発生し、プラスに働く効果やマイナス効果を被ったりします。戦闘は発生しないのであえてこのマスを踏むという選択肢もあるでしょう。

 

そしてステージの奥には回避不能の固定ボスが待ち受けており、見事撃破できたならば体力の回復とレリック3つのうち好きなものをひとつ入手可能というご褒美があります。

 

ゲーム進行によってランダムに変化する入手カードとレリックの組み合わせから戦略を変え、臨機応変に対応しながら最深部まで進むというローグライク的な遊び方になっていると言う訳です。

 

攻めるか守るか、遊ぶたびに変化する戦略

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 次はOverdungeonの戦闘についての説明です。

先ほどもチラッと触れましたが、このゲームの戦闘はカードゲームの戦略性とタワーディフェンスのリアルタイム性が組み合わさった他ではなかなかお目にかかれないものです。

 

 

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基本はカンタンです。

 

① まず初ターンに敵の行動が予告される。プレイヤーは手札にあるカードから好きなものを発動する。場に出したカードから順次効果が発動し、アニマルを召還したり魔法を発動したり建物を建築したりする。手札のカードが二枚になるか時間切れになるまでは自分のターンが続く。

② 敵のターンに移行。自ターン時に予告していた行動を行い、プレイヤーターンに移る。以下これをどちらかが全滅するまで繰り返す。

 

これだけです。しかしこれだけでは遊んだことのない人にとってはなんのこっちゃ分からないと思うので、上のスクショを例に説明しましょう。

上記スクショでは現在自分のターン。まず敵が自キャラと隣のアルパカに向かって計2回攻撃するぞという予告をします。

場に出ているアルパカは召喚された時点で敵に向かってリアルタイム移動を始め、敵へ直接攻撃を狙っています。

手札にはまだカードが3枚残っているので手札のカードが二枚になるか時間切れになるまでは自分のターンが続くというルールに従いあと1枚カードを切ることができます。

ここでカードを切れば自ターン終了。敵のターンに移り予告通りの行動をしてから次の

 

ターンの予告をして自ターンへ移行するのです。

 

さて、この場面では敵の青い攻撃予告が自キャラに向けられていて、このままだとダメージを回避できません。

この場合は手札にあるアルパカを召還し、デコイになってもらうのが最善手です。

アルパカ君は敵の予告サークル1つを引き受けてくれる挑発効果を持つ、いわば肉盾です。ゲーム序盤はアルパカ君などの肉盾の頭数を揃え、敵の攻撃を回避しながら強力なアタックカードで各個撃破するのがセオリーでしょう。

 

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 次はこちら。敵が肉球サークルをフィールドにばら撒いています。

これは敵ターンでそこにアニマルが召喚されますよというサイン。

敵もプレイヤーと同じようにアニマルを召還してくる上、敵アニマルは一直線にこちらに移動を始めこのままでは直接攻撃でタコ殴りにされてしまします。

これを防ぐためには自分もアニマルを召還し戦わせ、肉盾とするしかありません。

 

このようにフィールドにユニットを置きまくり敵を殴ったり防御したりという駆け引きがリアルタイムで行われる……まさしくタワーディフェンス的な戦略性があるのです。

 

このゲームをクリアするためにはいかに効率的に自戦力の頭数を揃え、敵を押しつぶすかということを考える必要があります。

そのための助けとなるのが先ほども言及したレリックというアイテムと、建物と呪文カードです。

 

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レリックは入手手段こそ限られているものの、「手札を常に1枚増やす」とか「アニマルの召還数を常に1匹プラス」とか、先の戦いをかなり楽にしてくれるお助けアイテムです。手持ちのデッキと相性のよいレリックを入手できると戦力を一気に強化できますし、序盤に入手したレリックによって今後のカード選択を決めるといったような戦略を取るのが楽しいゲームです。

 

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建物カードはフィールドに建物を建築できるカードです。よくあるタワーディフェンスにあるような自動攻撃可能な砲台を始め、敵の攻撃を引き付けてくれるデコイや、置くだけで常にカードを1枚多く引くことができるバフ効果を持つものもあり、いずれも戦闘を有利にしてくれる便利な奴らばかりですが、敵に破壊されてしまう事があるので過信は禁物です。

上記のスクショでは砲台を設置しまくって集中砲火を浴びせ、敵を丸焼きにしている所です。Overdungeonでは数を揃えることが正義です。

 

呪文カードはご想像の通り、手札から切ると即発動し様々な効果をもたらします。

敵に直接ダメージを与えたり、自陣のアニマルを強化したり、敵攻撃を一度防ぐバリアを張ったり、手札にあるカードを全部発動させてしまう超強力な魔法まであるのです。

呪文をうまく使いこなせるようになると効率的に自戦力を強化し、強敵をあしらうことも可能になるでしょう。

 

……とまあ、ここまで聞くと強すぎるカードが多くてバランスが成り立っているのか?という疑問もあるでしょう。

当然そこまで旨い話はなく、強力なカードには相応のデメリットも持っています。

 

まずは「オーバードロー」という概念。Overdangeonにはカードコストという概念は存在せず、最後の2枚になるまでは手札からポンポンとカードを切ることが可能ですが、オーバードローが設定された強力なカードは切ったその時点で次のターンにデッキから引く手札のカードを減らしてしまいます。

これが何を引き起こすかというと、初手カードが2枚しかないせいで強制的にターン送りが発生し、敵の予告行動に対して対策を打てず無防備になってしまうことがままあるのです。

これは次のターンのドローに影響することを逆手に取り、レリック効果やカード効果で次ターンのドロー数を増やしたり、オーバードロー効果のあるカードをいっぺんに使用して次ターン別に行動できなくてもいいやという状況を作り出すことで無視することが可能です。

 

次に「廃棄」という概念。

時には盤面をひっくり返すこともある強力なカードには「廃棄」が設定されている事があり、このカードを切ってしまうとその戦闘中に今後一切使う事ができなくなってしまいます。なので初めから考えなしに使っていると肝心な時に使えず困ってしまう場面が多発します。使いどころはよく考える必要がありますね。

 

レリックの中にはデメリットを帳消しにするものも存在し、もしも入手できたなら大きな助けとなるでしょう。低難易度でしか手に入らないみたいですけども。

 

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休憩所では手持ちのカードを1枚だけ強化することが可能です。

強化すると「アルパカ+」のように名前にプラスが付き、召還できるアニマルの数が増えたり効果が倍増したりデメリットを打ち消したりと有利な効果があります。

しかし強化できる場面は限られており、どのカードを強化し戦略の軸とするかをよく考えないといけません。

 

 インフレにはインフレで対抗

 

Overdangeonではカード選択やレリック、呪文のコンボによっては簡単に自戦力をインフレさせることが可能ですが、敵もそれと同じような速度で強くなっていきます。

最序盤こそ初期デッキに合わせた良心的な敵ばかりですが、やがて何重にも攻撃予告を重ねてくる敵や、処理しきれないほど多くの敵アニマルを召還してくる敵が出てきます。

 筆者はインフレゲーが大好きなので特に悪いことだとは思いませんが、言い換えると大味なゲームバランスであるとも取れます。

いかに自戦力の頭数を増やし敵の行動に対処していけるか、この問題が解決しないとステージ1のボス撃破ですら危うくなるでしょう。

 

しかしそこはローグライクゲーム。このゲームは基本死んで覚えるものであり、出てくる敵をよく知り対策を立てればあっさり撃破できるようになるのです。

Overdangeonには様々なカードやレリックが存在し、それらの引きによって様々な戦略を取ることができます。アニマルの数をとにかく増やして押しつぶしたり、砲台をアホほど用意して集中砲火で片づけたり、肉盾を揃えて回復効果でひたすら粘ったり、強力な攻撃呪文を軸に押し切ったり……。

それぞれのジャンルのゲームの良い所をうまくまとめており、毎回違う遊び方ができるのがよい所です。

 

是非皆さんもOverdungeonを購入し、新しいタイプの戦略ゲーを遊んでみてはいかがでしょう。

 

それと重ねて申し上げますが、この記事は2018年11月下旬公開されたアーリーアクセス版をもとに書かれていますので、その後読むと状況が大きく変化していたり全く違うバランスになっていてアテにならない可能性があります。というか大です。あしからず。