知性鯵プール

ゲームのレビュー記事でも書こうと思ってたらレビュー記事を書けてないブログです。

「シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」で誰でもシャーロック体験

どうもazyです。

今回は2018年5月のPSplusフリープレイで遊べるソフト「シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」の話をします。

こういう時事モノってふつう月始めとか、遅くとも中旬くらいに書くものだと思うのですが、今この記事を書いているのは5月下旬です。

完全に時期に乗り遅れていて情けない限りなのですが、それでもフリプで遊べるのならば結構面白いゲームです。いま現在PSplusに加入している人ならばPSstoreでライブラリ加入ボタンをとりあえずポチっておくだけでも損はしません。しましょう。

 

 

シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」はPS4Xbox oneとPCで遊べる、たぶん推理バラエティアドベンチャーゲームです。内容は「誰でもホームズなりきりセット」といったような感じで、ゲームを起動するだけで5歳児でもシャーロック・ホームズとして活動できる画期的なゲームです。楽しい。

 

知っての通り、ホームズといえば世界一有名な私立探偵です。日本人に「名探偵といえば?」という質問をするとコナンの次に出てくる可能性が高い探偵であり、最近だとどっかのソシャゲで期間限定☆5サーヴァントとして登場し21世紀のアメリカで事件を解決するだけして肝心の殺人を阻止しないという畜生ムーブを決めてくれました。

 

しかし、おそらくですが大抵の日本人はシャーロック・ホームズという探偵が具体的にどういった人間なのか知りません。

最近のどっかのソシャゲで限定☆5サーヴァントとして実装されてから彼が相当ロクでもない人間という事が話題になったりしましたが、それでも私の頭の中で彼がワトソン君を引き連れてなんか推理とかするバリツゴリラ以上の情報更新はなされませんでした。

 

シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」というゲームはそんなホームズのズブの素人でも問題なく楽しめる、ホームズなりきりセットとして驚くべき完成度を誇る作品です。

プレイヤーはこのゲームの中でホームズを操作して事件に自ら首を突っ込み、真実を解明するという大義名分のもと1900年代初頭のロンドンを引っ掻き回すことができます。

 

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この顔のいいイケメンがホームズです。プレイヤーはコイツを操作して数々の難事件に臨みます。

 

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画像右の人物が我らが助手のワトソン君。このゲームの数少ない良心であり、ちょくちょくホームズをサポートしてくれる心強い存在です。場面によっては彼を操作することもあります。

 

ホームズという物語の中での彼の経歴について私はほとんどよく知りませんが、このゲームの中のホームズは名探偵として1900年代初頭のロンドン中でその名を轟かせています。依頼人から相談事を持ち込まれたり、怪しい人物が隣に引っ越してきたり時には脅迫という形で様々なトラブルが舞い込んできます、

プレイヤーは彼を通して事件を捜査し、証拠を集め、推理を組み立てて最終的に犯人だと思ったヤツを告発し、事件を解決に導きます。

 

このゲームの主役はホームズなので、当然プレイヤーは事件の謎を推理する必要がありますが、そのために必要なのは証拠集めです。

例えばこの、依頼人から事件に関する情報を得るシーン。

 

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ホームズ得意の観察眼で依頼人の身体的特徴からその人となりを読み取り、必要な情報を得る場面です。

プレイヤーは視点を操作して証人の気になる部分に目を通し、その人物に関する推測を組み立てていきます。

 

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そして会話の中で証言の矛盾点に証拠を突きつけ、新しい証言を引き出して証拠を得ていきます。

こう書くとまるで逆転裁判ダンガンロンパをやっているみたいなのですが、これはホームズのゲームなのでそれ以上の事もこなさなければいけません。

彼は世界一有名な名探偵ですが、このゲームのホームズは事件に関する証拠品を得るためには手段を選ばない迷惑な人間です。ひょっとすると原作でもこんなことをやっているのかもしれませんが。

 

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例えばこれはピッキングのシーン。事件の参考人の部屋に忍び込むために施錠された扉を遠慮なしに破っていきます。真実のために。

 

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ホームズは探偵なので金庫破りをする必要もあります。聴診器を当てて音を頼りにロックを外すのですが、やってる事は完全にアレです。これも金庫の中にある文書を手に入れるためなので仕方ありませんが。

 

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事件の参考人の事務所の鍵を、夜中の製鉄所に忍び込んで設備を勝手に使い作成するシーンです。推理ゲームのはずなのに音ゲーまでやらされるハメになりますが、殺人事件の犯人を追い詰めるためなのです。目を瞑りましょう。

 

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これはホームズが牧師に変装しているシーンです。ホームズといえば変装ですが、目的は敬虔なクリスチャンを牧師の格好で騙して家にある証拠品を漁ること。そのために窓を割ったり本棚を倒したりとロクな事をしてません。

 

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果てには証拠品を探すために貴族の屋敷に忍び込みます。この時はワトソン君も協力してくれて、ホームズは上手いことコソ泥に成功します。勝てば官軍というヤツです。

 

ホームズは善良な人間ではなく、事件解決のためなら色々とやるロクでもない人間という事はどっかのソシャゲでホームズが話題になった時に割とされた話ですが、このゲームでもその逸話を遺憾なく発揮しているようです。

 

また、記事冒頭で「たぶん推理バラエティアドベンチャーゲーム」と書いたように、ただ安楽椅子に座って推理をめぐらせるだけのゲームではありません。せっかく綺麗なグラフィックを使っているので色んなことを要求してきます。

 

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これは怪しい人物を尾行するミニゲームです。ホームズが雇った手下のガキを操作して、ターゲットに見つからないようにストーキングしていきます。

 

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これはホームズの飼い犬を操作して臭いをたどるミニゲームのスクショ。こういう臭いをたどる遊びをトワイライトプリンセスでやったことがあります。

 

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これは参考人の事務所に忍び込むために工場の設備を動かして道を作り出すミニゲーム。相棒のワトソン君と協力してパズルゲームに挑むのですが、驚くべきことにホームズは鷹の目の持ち主でした。おそるべき観察眼を用いて暗殺者みたいな芸当もやってのけるのです。探偵なので。

 

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これは画面が暗くて分かりづらいですが、悪党どもの警備する寺院に潜り込むホームズの姿です。完全にスニーキングミッションですが、どちらかと言えば時のオカリナハイラル城中庭のかくれんぼとやってる事が同じです。

 

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ホームズは探偵として類まれなる想像力を持っています。これはそのイマジネーションを働かせて殺人現場で起きたであろう出来事を現実世界に投影して推理する場面です。イマイチよく分からない人は、逆転検事で使われたぬすみちゃんを想像してください。それです。

 

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また、ホームズは事件の真相に迫るためにそのイマジネーションを発揮して想像上のマヤ文明の危険な罠が張り巡らされた遺跡に挑んだりします。遺跡の中には危険な即死トラップが多数仕掛けられていますが、全て想像の中の出来事なのでいくら引っかかってもホームズは死んだりしません。

 

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その想像上の危険なマヤ文明遺跡の中でインディジョーンズみたいな事もやってのけます。いくら何でもホームズが大岩から逃げたりなんて原作でもやってないと思うのですが、あくまでもこれは彼の想像の中での出来事です。

 

これらのミニゲームは全てホームズが真実にたどり着くために必要な過程です。しかしホームズを操作する推理アドベンチャーで、まさかバイオハザードみたいな失敗したら即死するQTEまで求められるとは思わないでしょう。

開発側もそれを理解してはいるようで、この手のゲームには珍しくミニゲームや謎解きをスキップできる機能が搭載されています。

 

もう一度言います。これらのミニゲームやパズルはほとんど全てスキップ可能です。

 

ほとんど乱暴な解決手段だとは思いますが、推理アドベンチャーなのにアクション部分が苦手で先に進めない、といった事態には陥りません。

スキップする事によるペナルティも存在せず、「めんどくせえなコレ」と感じたら遠慮なくスキップ可能なのでゲームテンポを損なわない、という見方も可能です。一部実績が取得できないというデメリットは存在しますが。

 

このゲームはホームズなりきりセットなので、ホームズをホームズたらしめる所以の過程とかすっとばしてどうするんだ。という思いも確かにあるのですが、あくまでもスキップは任意なので意見が分かれる所だと思います。

 

さて。そこまでして様々な証拠品を集め、ホームズは最後に推理を組み立てて犯人を告発する必要があるわけです。

ちゃんと推理アドベンチャーなので、推理要素もしっかり備えられています。

 

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プレイヤーはゲーム中いつでもホームズの推理空間を開く事ができ、そこでは操作中に得た推論ワードを確認することができます。その中で関係ありそうなワードを繋ぎ合わせて様々な推論を導くのです。

 

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そうして手に入れた様々な推論を一つ一つ検討し、推理空間の中で組み立てると最終的に結論を手に入れることができます。

画像の中では「バーストは死んでいる」という結論を導き出していますが、これは考えられる結論の一つにすぎません。

 

このゲームの面白い所は、事件ごとにマルチエンディング制を採用している点です。

操作の中で手に入った証拠品から推理を組み立てて、手に入れた結論からプレイヤーが「コイツだ!」と思う人物を犯人として告発可能です。

たとえそれが事件を捜査し始めてすぐに推測できる結論だとしても、完全に冤罪だとしてもホームズ(プレイヤー)は事件の運命を決定づける力を持ち、事件を「解決」することが可能なのです。

導いた結論が真実であるかどうかはともかく、ゲームはその後も問題なく進行します。告発した人物からファンメが届いたりしますが、過ぎたことなのでホームズは気にしません。

 

推理が仮に完全に間違っていてもペナルティは無く、それどころか捜査の過程をすっ飛ばそうが問題なく好きなようにホームズになりきって遊ぶことができる。

これが「シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」というゲームの魅力であると思います。

 

しかし、この手のフルHDのゲームの例に漏れずロード時間に苦しめられるという面があります。

ホームズは探偵なので当然事件現場や自らのオフィス、スコットランドヤードに出入りする事になります。しかしファストトラベルする度に長めのロード時間が入り、しかもちょっとした用事のために行き来を強制されるのでたまったものではありません。

フォローとしてロード中でも推理のための証拠品確認や、推理空間で推理を組み立てたりして時間の有効活用は可能ですが、大抵は長いロード時間と付き合う事になるでしょう。

気になる所はそれくらいです。

 

シャーロック・ホームズ 悪魔の娘」はこれまで述べてきた通りホームズなりきりゲーとしてはかなりの完成度を誇っていて、推理以外にも様々なホームズレクリエーションを楽しむことのできるアドベンチャーゲームです。

5月のPSplusのフリーゲームとして遊ぶことができ、一度ライブラリに入れればPSplusに加入している限りいつでも遊ぶことができますので、とりあえず遊んでみてはいかがでしょう。結構ハマるかもしれません。

 

P.S

ウチのFGOのホームズです

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