知性鯵プール

ゲームのレビュー記事でも書こうと思ってたらレビュー記事を書けてないブログです。

冒険は始まりの台地だけで完結できるか

2017年3月3日は記念すべき日です。

人生最高のゲーム、ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルドの発売日なのですから。

あの日Switchと共にこのゲームを買って早1年。狂ったように遊び続けた結果メインデータのプレイ時間だけでも330時間以上にのぼります。縛りプレイをするためだけに作った別アカウントで遊んだ時間を含めると合計400時間近くはこのゲームで遊んだことでしょう。

この素晴らしき神ゲー、ブレスオブザワイルドについて語りたい事は山のようにありますが、今回はそれが目的ではありません。

せっかく発売して1年が経ったので、何か少し記念っぽい事ができないかと考えた結果、1つの考えに思い至りました。

 

話は変わりますが、このゲームにはDLCが存在し、購入することで様々な追加要素が遊べるようになります。

その中でも大きな目玉の1つであるのがマスターモード。ざっくり言うとハードモードでして、色々と説明を省きますとまあとにかく難しいワケです。

このマスターモードを始めてまず最初に誰しもが驚くことかと思います。始まりの台地の原っぱに白銀のライネルが当然のような顔をしてうろついているのです。

万が一ブレスオブザワイルドを遊んだ事がない人のためにこの白銀のライネルという敵について説明しますと、恐ろしく強く、タフで、やべーやつです。 明らかにゲームスタート時のフィールドで出会っていいやつではありません。

例えるならば子供時代に挑むゲマ。ポポノタン納品クエストに出てくるティガレックス。3階に出てくるクソ強カマキリです。まず勝てません。

こいつのスペックを分かりやすく書きますと、この時点で拾える最高の攻撃力の武器がせいぜい20とかそこらの中で堂々の5000。奴の攻撃を食らえば問答無用で即死。盾でガードすれば紙の如く簡単に破壊され、オマケにマスターモードの仕様で攻撃の手を休めると徐々に体力が回復していく。

はっきり言ってラスボスのガノンとタメを張れるやべーやつです。

 

しかも最大の懸念点が存在します。このゲームの武器は耐久力が設定されており、30回くらい攻撃していたら壊れて使い物にならなくなってしまいます。普通の敵を相手取るのならあまり気にしなくてもいいのですが、このケンタウロス相手だとハッキリ言って体力の半分すら削ること敵わず武器が尽きてしまうことは想像に難くありません。

この白銀のライネルという化け物はゲーム中盤から後半にかけて、強い武器や防具を揃え、猛攻をかいくぐる腕を身につけてようやく対等に勝負する事ができるエンドコンテンツみたいなヤツなのです。

 

話がだいぶ逸れてしまいましたが、言いたいのは要はコイツをゲーム開始時に集められる全ての手段を総動員して、勝つ事が可能なのか?という疑問です。

 

先駆者がいないものかとネットで検索をかけると、始まりの台地で手に入る武器だけで白銀ライネルを倒している報告をそこそこの数見つけました。果てはゲーム開始から14分でやっつけている動画すら見つかる始末。

これだけメジャーならブレスオブザワイルドエンジョイ勢の筆者にも可能だと結論づけました。

 

というわけで発売1周年を記念して始まりの台地のライネルを撃破してみようというチャレンジをやってみたいと思います。既に割と手垢のついた課題だって?知らない。

 

そのためにちょっとしたルールを設定しました。

1、始まりの台地で手に入る物だけを使う。

2、パラセールは取得してはならない。

3、amiiboの使用禁止。

 

条件1は書いてある通りです。

条件2ですが、パラセールを入手した時点で始まりの台地の攻略が終わりと見なされ、台地から出られるようになります。

しかしそれだと台地の中だけで完結させるというコンセプトに反する気がしたので、パラセールは入手しない事にしました。これにより上昇気流を使ってライネルにヘッドショットを決める戦法が封じられてしまいますが、些細なことです。

条件3は単純な話で、amiiboを使うとその時点では手に入らない攻撃力を持つ武器が手に入り、このチャレンジの意味が薄れてしまうためです。

なお、祠で手に入る克服の証4つと引き換えにハートの器かがんばりの器を取得することについては制限しません。ですがこれも取得しない事にしました。ゼルダの縛りプレイはハート3つが鉄則。

 

要はチュートリアルエリアで手に入る物と己の技術を総動員し、チュートリアルエリア最強の敵を打ち倒すという簡単な話です。

ブレスオブザワイルドというゲームの目的が、ハイラルを探索し最終的にラスボスの厄災ガノンを打ち倒す事なので、それのスケールダウン版だと思えばよいのです。

 

とはいえ簡単に済む話ではありません。

無策で挑んだ所で、攻撃を全て対処できる腕があっても相当なタフネスの前に攻撃手段が先に尽きてしまいます。敵の体力は実質5000以上あるのですから。

 

ここでブレスオブザワイルドの仕様についておさらいしておくことにします。

まず、装備の耐久力。基本的に武器は種類にもよりますが30回くらい(未検証)敵を殴っていれば簡単に壊れてしまいます。ゲーム開始時点で所持できる最大の武器数は8個。弓も同様で、これも使い続けているとどのうち壊れてしまいます。これの初期最大数は5つ。

盾を一度に持てる数は4つ。これはライネルの攻撃をマトモに受けるとすぐに壊れてしまうので全てパリィしなければいけません。

とにかくこの枠の中でなるべく強い武器を集めて白銀ライネルに挑まなくてはいけません。

あまりの無理ゲ―だと思った方もいるかと思いますが、臆することはありません。

何しろこのゲームはブレスオブザワイルド。自由度の高さに裏打ちされた様々な要素と知恵がリンクの助けとなってくれます。

 

まずは料理効果による攻撃力アップ。最大で1.5倍も攻撃の威力が上昇します。言うまでもなく強力です。材料集めも無理難題という程ではありません。ゲームスタート地点のすぐそこで材料となるツルギカブトを捕獲可能です。

 

マスターモードの仕様の敵体力回復を克服する手段も単純です。自動回復は始まるまでに5秒くらい猶予が存在するので遠くから矢をちまちまと当てていればそうそう持ち直されることはないはずです。

 

武器耐久力をある程度克服する手段もあります。

なんとライネルの背中は乗ることができ、その間に5回武器を突き立てて攻撃ができます。

そして驚くべきことに、その攻撃では握っている武器の攻撃力が適用される上に、耐久力の消費が行われないのです。つまり、乗り攻撃の最中だけは壊れる心配なしに一番攻撃力の高い武器を使うことが可能です。

ライネルは苛烈な攻撃を繰り出してきますが、ヘッドショットさえ当てられれば一時的にダウンを取り、乗りを狙うことが可能です。

 

大剣ライネルとの戦闘はとにかく慣れるしかないです。立ち回りを工夫し、相手の攻撃に慣れて適切な対処を取ればノーダメージ撃破も十分に可能です。

攻撃のパリィに成功すれば盾の耐久力も消費しません。

大剣ライネルの攻撃ですが、振り下ろし攻撃はタイミングを合わせやすく、パリィもしやすい部類なので慣れさえすれば無理な戦いという程でもないのです。

ネックとなるジャイアントスイングはなるべくライネルの正面に立つようにすればあまり使ってきません。

 

ここに作戦は決まりました。

まず始まりの台地中から強い武器と弓とありったけの矢をかき集めます。

そして攻撃力アップレベル3効果の料理をいくつか用意し、

正面から戦いを挑み、勝つ。

 

始まりの台地を2時間ほど駆けずり回り、なるべく使えそうな武器を厳選しました。

メインウェポンは騎士の両手剣。攻撃力アップ小付きで威力は42です。

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本来ならば始まりの台地にはこんな高攻撃力の武器などあるはずもないのですが、ここでマスターモードの仕様が功を奏しました。

寒冷エリアの滝にマスターモード限定で浮かぶ足場が追加されており、その宝箱の中に場違いとも呼べる強さの剣が収まっていたのです。

相手がマスターモード限定の敵ならこっちもマスターモードぶつけんだよ。

 

サブウェポンは兵士の剣2本。これは普通に落ちてるのを拾っただけなので詳細は割愛します。

 

ブレスオブザワイルドの片手剣は槍よりも手数が少なく、両手剣よりも一撃は軽いですが、唯一盾を構えられる武器種です。

大剣ライネル相手に即座に盾パリィを狙える優位性は他と比べるべくもありません。

 

逆に弓は貧弱です。台地のどこを探しても時の神殿跡地の宝箱にある兵士の弓以上に強い弓はありませんでした。威力は14。

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元々ヘッドショットで動きを止める事にしか使わないとはいえ、少し心許ないです。めげずにガッツでなんとかしましょう。

盾は板切れレベルのやつを4枚調達。先に書いた通り攻撃は全てパリィしないと1発で叩き壊され、その上からリンクが叩き潰されてしまいます。唯一の防御手段です。

 

そして先に述べた攻撃力アップの料理ですが、残念ながらレベル1の効果しか出せませんでした。

このゲームの料理効果の仕様をよく理解していなくて、どうもツルギバナナみたいにランクの高い食材じゃなければダメだったみたいなんです。

これで攻撃力を1.2倍にしか伸ばせず、火力に不安が残ります。

 

矢は100本以上集め弾切れの心配は無し。全ての準備が整いました。

これで台地に君臨する白銀ライネルを叩きのめし、ハイラルに平和を取り戻します。

 

戦法は至って単純。奴の攻撃をなんとかパリィで弾き、隙を晒せばヘッドショットを決め、ロデオして打つべし。ガチンコの真剣勝負です。

なにしろ一撃でも貰えば即死。パリィがずれれば即死。轢かれても即死。戦いは困難を極めました。

 

しかし諦めなければなんとかなるものです。20人以上のリンクの死体を積み上げて、ついにとうとうやっと成し遂げました。 白銀のライネルを始まりの台地だけで倒す試みは割と余裕を持って成功したのです。

ご覧ください。

 

正真正銘、始まり台地にあるものだけをかき集めてライネルを倒せることは不可能ではありませんでした。長く苦しい戦いだった・・・。

 

 

思うに、開発スタッフは単なる驚かしのためだけに白銀ライネルを配置したのではなく、最初から倒してもらうためにここにこの障害を置いたのではないでしょうか。

なぜなら、マスターモードで敵が追加配置されている場所は空中に浮かぶ足場を除いてここ以外には存在せず、この白銀のライネルも他のルートを選べば全く戦わずにゲームを進めることが可能だからです。

そうでなければプレイヤーへの挑戦状を叩きつける以外にライネルを追加配置する意味が存在しません。

 

勝手な解釈である事は百も承知ですが、そう思わずにはいられないのです。

 

スタッフは始まりの台地で行われるチュートリアルの集大成として、明らかに序盤では勝てそうもないとんでもない敵を配置した。

だから筆者は無謀なルール決めて倒そうなんて計画した。果たしてそれは結実した。

開発はこんな遊び方も最初から想定済みだったはずなのです。

ブレスオブザワイルドというゲームの自由度の高さと懐の広さを感じずにはいられません。

 

厄災ガノンを倒す以外に目的が存在せず、過程で何をどうしてもいいこのゲーム。発売から1年が経つ今だからこそもっと沢山の楽しみ方を見出していこうではありませんか。

 

今回はそんな感じの話でした。

 

 

 

P.S

こんな病み上がりがいるか。

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